2017年02月02日

クリスマス船上プロポーズ大作戦

2016年11月某日
住宅街にある隠れ家的な上品な料亭にて
プロジェクトはここから始まりました。


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フルオーダーにてエンゲージリング制作をご希望

そして、クリスマスにプロポーズ

それも豪華客船のディナーにて

サプライズ!



き、来ました。
すごいの来ました。


打ち合わせメンバーは
クライアントのI氏、20歳代。建築系の企業にお勤めです。
その方がお世話になっている
名だたる某デザイン会社の偉い人Y氏。
そして、Y氏の部下で私の大学の後輩のH氏。


H氏からご紹介の今回の案件。
彼は、現在、バイクなどのデザインをバリバリしている
バリバリのインダストリアルデザイナー。
しかし、どんなにバリバリでもジュエリーに関してはプロではないので
SNSを駆使し、私のことろに到達。
卒業以来の再会(20数年ぶり・・・ひ〜)であった。

しかし、そんな再会の余韻に浸っている場合ではなく、時は11月下旬。
世の中的にも年末に向けて忙しくなる時期ですが、特にジュエリー業界はクリスマス商戦に向けて最も忙しい時。どこの工房もぎゅうぎゅうに詰まっていて、果たして作る事ができるのだろうか。兎にも角にも、サプライズプロポーズに向けて、クライアントのI氏、スーパーバイザーとしてY氏、H氏、そして私、この四人でエンゲージリング制作プロジェクトが結成され、怒涛のエンゲージリングデザインがスタートしたのでした。


早速、ヒアリング&わたしの心
お相手は
クライアントと同じ会社にお勤め → サプライズ、バレないかな
職種は企画デザイン系 → ある意味、素人ではないぞ
ブランドにはこだわらない → て、人だからこそ、「カタチ」にはこだわるんだな
普段もジュエリー、アクセサリーはあまり身に着けない → て、人に身につけてもらえるのデザインしなくちゃ
などなど、
他にもお写真資料など色々リサーチさせていただきましたが、
以前、お二人で話していた際に、お相手の方がこんな事をおっしゃったそうです。

「自分がデザインを選ぶのではなく、I氏が私のために選んだデザインがいい」

決定的な言葉です。
その深い信頼関係にこちらも安心と感動を覚え、改めて、I氏からの要望を固めていきました。

とても誠実で勉強熱心なI氏は、ちまたの女子が憧れる外資系の有名ブランドなども隈なくリサーチした上で、彼女にふさわしいものは何かを深く追求。改めて、一からオリジナルで作る事を自身で確信し、ダイヤモンドについても、その形状に色々種類があると知ると、ルース(裸石)の状態をご自分の目で確かめに専門業者まで足を運びました。

ジュエリーの専門業者といえば、ジュエリータウン御徒町♪
I氏は会社帰りという事で夕方待ち合わせ。たまたま雪が降った日で寒かったなー

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初めてダイヤモンドルースを見るI氏。
その輝きの凄さに一瞬で引き込まれてしまった彼のピュアな反応が嬉しかった。
(このプロジェクト用にLINEでグループをつくったのだが、ダイヤを見たその日からそのグループのアイコンがダイヤモンドになっていました 笑)

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無事、メインのダイヤモンドも決定し、土台となるデザインを構築していきます。
I氏の良いと思うデザインやアイデアをネットなどからピックアップしてもらい、それをヒントにこちらはラフ画を作製。


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建築系のお仕事をされているからか、石座が高く立ち上がったタイプがお好みの様子。そして、ゴテゴテしたものはタイプではない。

ダイヤモンドに魅了されたI氏の心を映すべく、側面からもダイヤがクリアに見え、肝心の装着する方にとって違和感のない重さなども考慮し、丸線で構成されたミニマムなシルエットをご提案。
そして、プロジェクトチームにて検討。何パターンか提出したデザインについて、H氏の的確な解説、さらにY氏の「エンゲージリングとは」という深いお話もいただき、さくさくと、デザイン決定。
時間が無いとはいえ、さくさくとデザインが決定したのは、クリエイターである、Y氏、H氏のお力が大きく、専門外のジュエリーとはいえ「カタチ」に対する洞察力や探求は見事でした。


デザインが決定した直後、I氏から連絡。
リングの内側にオリジナルの刻印を入れるかどうかまだ未定だったのですが、

「打刻ではなく、凸で文字を入れたい」

その文字とは

「i」

彼のイニシャルで結婚後彼女のイニシャルにもなる 
「i」

愛 アイ 
「i」

さかさまに見ると
「!」

そしてこれを凸に入れることで、指に「i」が刻印される、という個人的には大好物なアイデア。
そして逆さまに見ると「!」に見えるというのもなんともウィットに富んだ、柔軟な思考。
即、採用!



早々に工房に依頼です。
ダイヤモンドを計測する職人の手。バフ粉(研磨剤)がついた指先は魔法の手です。

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丸線で構成されたデザインなので、こちらの考えではCAD(パソコン上で3Dデータを作製し、造形機にて出力する方法)のほうが綺麗かな、と思ったのですが、丸線でシンプルなデザインだからこそ、手作りで作る。そのほうがより美しく、固く(頑丈)に仕上がる。という職人魂の言葉を受け、製作はその方法で依頼。ただ、例の「i」は細い腕の内側に綺麗に付くのかな、、、



まあ、当たり前なのですが、野暮な心配でした。





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付いてます。ちゃんと「i」が。
しかし、φ1.6の丸線にです。やっぱりすごい。職人。










そして、
完成

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photograph:yasuhiro matsumura

ダイヤモンドは堂々の0.5ct
イエローゴールドの細めの腕とのコントラストが美しいリングになりました。
高価なダイヤに合わせて、華やかな土台(地金部分)にしなくてはいけない、という考えが意外と多いせいか、今回のような、細めの腕と大きめのダイヤモンドのバランスは、エンゲージリングとしては大胆なデザインでもあります。

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photograph:yasuhiro matsumura

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photograph:yasuhiro matsumura




キックオフから1ヶ月、無事納品。

そして、肝心のプロポーズ本番当日、すでに母のような気持ちになっている私は一応ドキドキ。




キラーーーン☆


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大成功




「i」 はどんな感じかしら。。。。
婚約者、Yさん。

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良いですね。良いですね。ちょっとサディスティクで。あ、不謹慎ですね。。。
でも、まだピチピチお肌なので、クッキリ度が浅いですね。。。

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と、いうことで、今回のプロジェクトは無事終了。

デザインとはチームワークで成り立ち、良いものを作る上で不可欠であることを再確認できた企画でした。
そして、I氏、Yさん、お幸せに^^

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一番最初にキックオフで訪れた素敵な料亭。
十数年振りの後輩との再会、そして濃厚な打ち合わせ内容。プレッシャー諸々あり、お料理の内容、よく思い出せません。美味しかったのは確かです。

改めて、またゆっくり行こっと。






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photograph:yasuhiro matsumura
フルオーダー
K18YG ダイヤモンド0.5ct ソリテールリング









posted by akke at 15:17| jewelry