2016年08月12日

オーダーメイドでつくるということ

お客様のご要望にあわせて一からお作りすることを一般的に
「オーダーメイド」と呼んでいます。
この言葉は実は和製英語で、本来はカスタムメイド[custom-made]と言うのが正しいのですが、ここはとりあえず、「オーダーメイド」でお話しします。
ちなみにフランス語では「オートクチュール」です。

ここ数年、デザインが古い、頂き物だけど自分に合わない、など、いろいろな理由でご使用にならないジュエリーをお客様からお預かりして、リメイクや修理などを承っておりますが、まずオーダーメイドのご相談を頂く際に必ずお伝えしていることがあります。

「一点物を作るということはそれなりのお金がかかります」

ということです。
一般的に
「一点ものは高い」
ということは、もちろん理解はされています。
ただ、どのくらい高いのか、なぜ高いのかということは具体的な想像はしにくく、実際、だいたいのお見積りを提示すると驚かれてしまうのが現実です。

ジュエリーに関してですが、
ちまたのジュエリーショップで定番として販売しているものは
「型」を作成し、それをもとに
「鋳造」や「プレス」といった工程で
大量生産しているものがほとんどです。

例えば、その「型」をつくるのに¥50,000かかるとします。
その「型」をもとに10個同じものをつくり、一つ¥5,000で売れば、型代の¥50,000は消化できます。
ただそれでは儲けがでませんので、¥5,000にプラスαしたものが販売価格となり、
所謂、「量産品」と言われるものになります。
(表記価格は例ですので、実際のものとは異なります)

では、ジュエリーショップでシンプルな一個石のついたリングが¥30,000で販売しているとします。
そのデザインがとても気に入っているので、手持ちのルース(裸石)を利用し、同じデザインを起こし、一からオーダーメイドで作るとなるとどうでしょう。

「シンプルなデザインだし、店頭で¥30,000で買えるものだから、そのくらいで作れるだろう」

とお考えになる方が実は多いようです。

どんなにデザインがシンプルであっても、
ご希望のデザインの素材が金やプラチナでなくても、
まず土台となる「型」を作るのに、先の例をあげると¥50,000はかかり、
それにプラスαということなので、ジュエリーショップで売っていたものと全く同じようなデザインであっても、当然、価格はそれより高くなるのです。
シンプルを極めた「金線(金の細い棒状)を丸めただけのリング」であっても、それが一点ものであれば、イメージする価格よりも割高なものになるでしょう。
デザインは同じでも「量産」と「一点もの」の違いは工程が異なるのです。
そして、基本的に「型」を流用することは絶対にありません。
そもそも一点ものなので、「型」を作らずに、一から手作りで作製するケースもあります。その場合も純粋に製作時間に値する費用がかかり、そのまま商品に反映されるのです。
それが「オーダーメイド」「一点もの」であるという事です。


オーダーメイド、ジュエリーリメイクのご相談を受ける際に
必ず、上記のことをお話しさせていただき、ご納得いただいた上でご注文を承っております。
幸い、当方にご依頼いただく方は
「ものづくり」という事に対して向き合ってくださる方が多く、
なにより、

「持っているジュエリーを生まれ変わらせたい」
「思い出の品を違う形で新たに装着したい」

という思いが強く、作成に至っております。
そして、納品後は、

「蘇らせてくれてありがとう」

というお礼の言葉をいただきます。
デザイナー冥利につきる、とても幸せな事です。

まずはご予算をお伺いし、それに見合ったデザイン提案、ご相談内容によっては、
お客様のご希望にふさわしいショップを紹介したり、地金の売却方法などもお伝えしています。

僭越ではありますが、ジュエリーに限らず、
ものづくりの工程、価格にはそれなりの理由があるということをご理解いただければ幸いです。











posted by akke at 20:26| jewelry